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ひとつの映画としては満点、実写化作品としては高点【プロジェクト・ヘイル・メアリー】

科学描写を限りなくカットし、心理描写に専念していた映画だなぁというのが主な感想。大変満足だ。

ミラゲは暇人なので気になった作品があったら映画館を尋ねるのだが、好印象を覚えた作品は少なからず類似している箇所があると思う。

そう、それは効果音や音楽。これは体験談なのだが、音で圧倒する映画は好印象を覚えることが多い。

その点において、今作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は最高だった。静寂を上手く使っており、グレースの宇宙に対しての無力感をひしひしと感じた。だからこそ、ロッキーの頼もしさや星々の美しさが際立っていてよかった。

小説と違い、映画は心理描写に専念していたな。

特にストラットが人間臭くなっていて、原作よりも感情移入できるような気がする。

原作ではグレース視点で話が展開されているので、他キャラにグレースとストラットが恋人だと勘違いされるシーンにはあまり納得がいかなかったが、映画のストラットのカラオケシーンを観ると「この二人ってそういう関係なんだ……」と同僚から勘違いされるのにも説得力がある。

映画の尺的に仕方がないのだが、他の科学者やエンジニアの掘り下げが大幅カットされたのは少し寂しかった。

他の登場人物でビックリした箇所はヤオ船長が思ってたよりも、老けていたこと。小説を読んでいた際はなぜか筋肉ムキムキな若々しいクール系の中年を思い浮かべていたんだ。なぜだろう?

後、ロッキーの性格が物凄く親しみやすく(後、可愛い)小動物感増していたな。

グレースは想像通りの見た目をしていると思う。ザ・海外化学教師。街でああいった格好の人を見かけたら絶対先生だって確信できる見た目。

物足りない点は一つ、小説で覚えたヒヤヒヤを映画で感じられなかった事だな。やっぱり映画の尺的に仕方ないのだけど、なぜアストロファージが箱から脱出したのか、なぜグレースはロッキーを助けてからすぐに地球へ戻らなかったのか……小説では食料不足等、色々と理由付けられていましたが映画ではわかりにくかった。

逆に好きな点は原作よりも救われていた所。成功するかわかるのに10年以上掛かるプロジェクト、無理やり嫌がる相手を憎まれ覚悟で宇宙船に乗せ、ストラット自身は牢獄の中で何を考えていたのか。

それが映画では海の上でグレースからのメッセージに微笑み浮かべるストラット。ロッキーと一緒に宇宙船で楽しんでいる所を観た後、仲間と一緒に地球を救うために行動する。

ストラットのカラオケシーンといい、この映画……ストラットを救うためにできたのかと思うぐらい彼女は優遇されていた。

本当に最高の映画だった。

でも、小説を先に読み終わっててよかった。

映画だと最初から公開されている情報が小説では中盤からだからね、ミステリ的な楽しみ方ができなくなる前に読めて本当に良かった。

しかし、映画を観た後でも小説は楽しめると思う。そこに全てある。原作には映画の疑問への答えがある。

今回観た映画:The Project Hail Mary(邦題:プロジェクト・ヘイル・メアリー)

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